こんにちは、リョウです。
本日は
“2021年にコインベース(Coinbase)がIPOするらしいけどどんな会社なの?”
“仮想通貨関連で注目されているけど日本語だと企業情報があまり出てこなくて困ってる。”
という方向けに記事を書いていきます。
2021年の米国IPOは金融の年になると言われていますよね。
ストライプ(Stripe)やマルケタ(Marqeta)といったオンライン決済系の大型IPOもありつつ、
本日ご紹介するコインベースも2021年の花形IPOといっても過言でもありません。
今年になってから一段と盛り上がりを見せているビットコインをはじめとした暗号通貨。
この盛り上がりが一層コインベースのIPOの期待値を押し上げています。
連日高値をつける仮想通貨。
そんな中、米国最大の仮想通貨取引所であるコインベースがIPO。
これはホットディールになること間違いなし!
では具体的にどういった会社なのか見ていきましょう。
目次
コインベース(Coinbase)を徹底解説!
コインベース(Coinbase)とは
2012年にブライアン・アームストロングとフレッド・エルサムによって設立された米国最大の仮想通貨(暗号通貨)取引所です。
webサービスに加えて、iOSとAndroid向けのスマホアプリでもサービスを展開しています。
日本では、bitFlyerやCoincheckが類似サービスと言えます。
簡単に言ってしまえばそれらサービスの米国verとなります。
それでは創業者2名の詳しい経歴を見ていきましょう。
ブライアンは2003年に自身のキャリアをまずIBMのインターン生として始めます。
その直後の2003年8月にeラーニング会社であるUniversityTutor.comを創業。
その後2011年にUniversityTutor.comのCEOをしつつAirbnbのエンジニアになります。
ライス大学では経済学の学士号とコンピューターサイエンスの修士号を取得しています。
コインベースの主な経営は現在ブライアンによって実行されているようです。
一方、フレッドは共同創業者また株主として一定の関与をし続けているものの役員としての仕事は実行していないようです。
ちなみにフレッドはデューク大学でコンピューターサイエンスの学士号を取得した後、2009年に資産運用会社のブラックロックでキャリアを開始し2010年にゴールドマンサックスに転職しています。
両名とも経済とテックどちらにも精通しており、なるべくしてコインベースを創業した感じがしますね。
それにしても米国の起業家はなんだかんだキラキラした経歴の人が多い…。
そして驚くべきはコインベースの現在の評価額。
その額なんと800億ドル(約9兆円)を超えると言われています。
これは米国企業はスクエア(SQ)やスペースX。
日本企業ではリクルートや任天堂と並ぶ規模の金額となっています。
2021年最大のディールになる可能性が大きいですね。
ビジネスモデル
コインベースはユーザーと暗号通貨販売者の両方から、発生した交換取引ごとに手数料を取ることで収益をあげています。
手数料はユーザーと販売者ともに取引額に対して1%になっています。
なお、販売者の場合は最初の100万ドルの取引には取引手数料はかかりません。
またコインベースは取引所の機能に加えて、コインベースに上場できる(=取り扱いできる)暗号通貨の上場可否も判断しており証券取引所のような機能も持っています。
コインベースは自社の重要な提供価値を以下の2つとしています。
・消費者が簡単に取引できること(ユーザビリティー)
・セキュリティ保護
ユーザビリティーについてはweb及びスマホアプリの”UIにこわだる”といった点から、
決済スピードの速さなどいかにユーザーにストレスを与えないかの設計がされています。
またセキュリティ保護は暗号通貨取引における最重要ポイントと言えます。
日本でもマウントゴットやコインチェックのハッキング及び資産流出事件のことは記憶に新しいのではないでしょうか。
暗号通貨の取引及び保有をする時、安全性に最も不安に感じますよね。
その点について、コインベースは主に以下のような対策を講じています。
・98%の資産をオフライン上で保存しておくこと
・2%の流動的な資産については保険対象とすること
で安全性を担保しています。
さらにコインベースを狙ったハッキングが発生したものの未然に防いだことを公式に発表しています。
ちなみに保険について、個人を対象としたハッキングや流出には対応していません。
例えば自分の不手際でパスワードが発覚して資産が流出しても保険対象外となります。
コインベース自体への攻撃によって生じた損失を補填する保険となります。
現状を見る限り、ハッキングを防ぐオペレーション及び人材リソースも保有。
さらにオンライン上にある2%の暗号通貨についても保険をかけている。
なのでセキュリティ面については安心といえるのではないでしょうか。
1%という安価な手数料。
さらに上記のセキュリティの強固さから、ユーザーに強く評価されていると考えられます。
主要数値サマリー
それではデータが開示されている直近2年の数値サマリーを見てみます。
数値はコインベースのS-1を参照しています。
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【売上高】
2019年 5.33億ドル ⇒ 2020年 12.77億ドル(+139%)
【純利益】
2019年 -3000万ドル ⇒ 2020年 3.22億ドル(黒字転換)
【ユーザー数】
2019年 3200万人 ⇒ 2020年 4300万人(+34%)
【月次取引ユーザー数】
2019年 100万人 ⇒ 2020年 280万人(+180%)
【取引額】
2019年 799億ドル ⇒ 2020年 1930億ドル(+141%)
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2020年は前年に比べて各指標で大きく数値が伸長し、かつ黒字化を達成しています。
事業リスク
コインベースがS-1に記載している事業リスクをまとめると
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・暗号通貨特有のボラティリティの大きさから業績の変動幅が大きい
・上記のボラティリティはコインベース側で想定及び操作ができない
・ビットコインとイーサリアムの2種類での収益が全体の56%以上を占めている
さらに当局による法規制といった外部要因。ハッキングによる攻撃による信頼性の毀損。
といったリスクをあげています。
真っ先にコインベースがあげているリスクは、
暗号通貨のボラティリティの大きさからコインベースの売上及び収益性も大きく変動する可能性があるという点です。
コインベースで取引可能な暗号通貨は2019年の第4四半期から2020年の第1四半期に+73%。
その後、第1四半期には−36%となっています。
同じ3ヶ月間でもこれだけボラティリティに差が生じる。
かつその点はコインベース側では想定できない点が大きな事業リスクとなっています。
さらにビットコインとイーサリアムに業績を依存している点もリスクですね。
ビジネスモデル上、必然ではありますが暗号通貨の盛り上がりや将来性が事業成長性に直結する。
すなわち暗号通貨と一蓮托生という点が事業リスクと言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本日は
コインベース(Coinbase)を徹底解説してきました。
2021年最大のIPOになる可能性のあるコインベース。
今年に入ってからビットコインを始めとした暗号通貨は大きな盛り上がりを見せており、
その盛り上がりがコインベースのIPOの機運を高めています。
さらにコインベースがIPOするとなればさらに暗号通貨の取引が加速し、
暗号通貨市場が一段と盛り上がるという相乗効果が生まれると考えられます。
2021年はアファームから始まり、ここからストライプやマルケタといったオンライン決済系の大型IPOが控えています。
さらに金融市場を大いに(良くも悪くも)盛り上げているロビンフッドのIPOの可能性も。
改めて2021年は金融、フィンテックの年になりそうですね。
コインベースのIPOも株式を買う買わないどちらにしても大注目すべきIPOになることは間違いありません。
ちなみにストライプとマルケタについても解説してるので、ぜひ合わせてご覧ください!
今からコインベースのIPOが楽しみです。
最後までお読みいただきありがとうございました。