こんにちは、リョウです。
本日は
“噂のロビンフッドが2021年にIPO予定らしいけどどんな会社なの?”
“名前は知ってるけど詳しいことは知らないから知りたい!”
という方向けに記事を書いていきます。
ゲームストップの1件で世間を大いに騒がせたロビンフッド。
普段から株式投資、特に米国株の取引を行っている方は最近その名前を耳にすることが増えたと思います。
ロビンフッドを通じて株式取引を行う人々はロビンフッド族とも言われ、
上記のゲームストップ事件などで株式市場への影響力の拡大が見られる場面もありました。
なにやらアメリカで株式ブームを起こしているらしいロビンフット。
そんなロビンフッドが2021年にIPOを予定してるらしい…。
しかし、名前が先行してしまいなかなかビジネスモデルなどの会社情報は忘れられがちになってしまっています。
なので今回はIPOを前にロビンフッドって実際どういう会社なの?ということを解説していきたいと思います!
目次
ロビンフッド(Robinhood)を徹底解説!
ロビンフッド(Robinhood)とは
ロビンフッドは2013年に創業された金融サービス企業です。
ロビンフッドの名前で知られていますが、正式名称はロビンフッドマーケッツ株式会社(Robinhood Markets, Inc. )となっています。
一般ユーザーに株式を始めとした金融商品の売買機会を提供しています。(いわゆるネット完結型の証券会社)
webサービスに加えて、iOSとAndroid向けのスマホアプリでもサービスを展開しています。
ウラジミール・テフネとバイジェ・バットによって共同創業されました。
二人はスタンフォード大学在学中に出会い、その後ロビンフッドを創業するに至ります。
ウラジミールはブルガリアから、バイジェはインドからと両名とも移民もしくは移民2世というバックグラウンドを持っています。
社名は「裕福な人だけでなく、すべての人に金融市場へのアクセスを提供する」という企業理念に由来しています。(ロビンフッドは義賊として知られる)
現在の評価額は117億ドル(約1.2兆円)となっています。
市場からは十分に評価されているものの同じく2021年にIPO予定の金融銘柄である、
コインベースの800億ドル(8兆円)やストライプの360億ドル(約4兆円)と比較すると小ぶりとなっておりまだまだ上昇の余地がありそうです。
ビジネスモデル
ロビンフットは一般的な証券会社とは異なり手数料では収益を発生させていません。
ユーザーは基本的に取引手数料無料で株式などの売買が可能です。
一方でペイメント・フォー・オーダーフロー(PFOF:payment for order flow)により大きな収益をあげています。
2018年には推定6,900万ドルの収益を生み出し(前年比+227%)、この収益の40%以上をPFOFが占めると言われています。
さらに2020年第2四半期だけで、PFOFから約1億8000万ドルの収益を生み出したと見られており、大きく収益が伸びていることがわかります。
ちなみにこのPFOFは日本の株式市場には見られない慣行であるため、
私も最初この収益モデルを知ったときにはどういうこと??となりました。
証券会社は特定のマーケットメーカーに注文を依頼することに対する報酬として、通常1株あたり1セントの小額の支払いを受け取ります。(これがPFOF)
この仕組みを利用してロビンフッドは大量のユーザーからの注文を集約し、まとめてマーケットメーカーに注文を行うことで収益をあげています。
(本筋からそれるのでマーケットメーカーの説明は割愛します)
“え、それって他の証券会社はできないの?”という疑問を持たれると思います。
実際、ロビンフッド以外も取り入れている手法であり、元々インターネット証券会社がPFOFを取り入れることで手数料を抑えてきた背景があります。
別にロビンフッドだけがズルをしているというわけではないんですね。
そちらも含めて、ロビンフットとPFOFについてはこのYahoo!の記事が非常にわかりやすかったので、ぜひご参照ください。
⇒ ゲームストップ株騒動とペイメント・フォー・オーダーフロー
PFOFで収益をあげて、その収益を柱にユーザーの取引手数料は無料にする。
それによってユーザー数を伸ばして、さらにPFOFを伸ばす。
というモデルを取っていると思われます。
(取引株数が増えれば計算上PFOFも相関して伸びていく)
さらにロビンフッドは収益の柱として、ゴールド会員というサービスを提供しています。
取引手数料も含めて基本的にロビンフッドは無料で利用することができますが、
月額5ドルでゴールド会員にアップグレードが可能です。
ゴールド会員になることで専門的なマーケットリサーチデータや信用取引を行うことが可能となります。
こちらもロビンフッドの重要な収益源となっています。
まとめると、
-
PFOFで大きな収益をあげる
↓
その収益を元にユーザーの取引手数料を無料に
↓
ユーザーが増えてさらにPFOFが増加
↓
PFOF収益を増やしつつ、ゴールド会員からも収益をあげる
という流れで成長していると考えられます。
ロビンフッドの取引手数料無料の裏側にはこういった色々な仕組みがあったんですね。
主要数値サマリー
それではロビンフッドの直近の主要数値について見ていきましょう。
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【取引総額】
2019年 1500億ドル ⇒ 2020年 3500億ドル(前年比+133%)
2018年 1000億ドル ⇒ 2019年 1500億ドル(前年比+50%)
【収益】
2019年 1.11億ドル ⇒ 2020年 6.82億ドル(前年比+514%)
2018年 0.69億ドル ⇒ 2019年 1.11億ドル(前年比+60%)
【ユーザー数】
2019年 1000万ユーザー ⇒ 2020年 1300万ユーザー(前年比+30%)
2018年 600万ユーザー ⇒ 2019年 1000万ユーザー(前年比+6&%)
※2020年5月の時点であり2020年中には2000万ユーザーになると想定されている
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ユーザー数の増加に伴い、収益も大きく成長してるのがわかります。
また前述の通り、上記の収益の40%以上がPFOFによるものだと言われています。
まとめ
いかがでしょうか?
本日は
ロビンフッド(Robinhood)を徹底解説してきました。
日本ではゲームストップ事件から名前が先行してしまい、なかなか実態が見えていないロビンフッド。
手数料無料という点でも知名度がありましたが、
その背景にはアメリカの商取引の中で活用されているPFOFという仕組みがあることがわかりました。
PFOFを理解することでよりロビンフッドへの理解がさらに深まりそうですね。
ユーザー数と収益ともに伸びていますが、40%以上がPFOFからの収益になっている点が気になります。
PFOFはSEC内でも今後どうしていくか物議を醸しているようなので。
何かと話題になっているロビンフッドなのでIPO自体とても楽しみです。
どの程度の時価総額になるのかにも期待ですね。
ちなみに暗号通貨取引という面で競合になりうるコインベースの記事も書いているので
合わせてご覧ください!
IPO後の初決算で好決算をちゃんと出せるのかにも注目していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。