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『市場サイクルを極める -勝率を高める王道の投資哲学-』を徹底レビュー!!

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こんにちは、リョウです。

本日は
“株式投資でもっと稼げるようになりたい!”
“市場サイクルや市場分析について勉強したい!”

という方に向けて記事を書いていきます。

株式投資で結果を出すためにはファンダメンタルズ、テクニカル、マーケット状況の3つについて知ることがとても重要です。
そして個人的にはその3つの要素の中でもマーケット状況が特に大切だと思います。

いかに決算が良くチャートが上向きになっていても一度マーケット全体の状況が悪化すれば、値崩れを起こす可能性は非常に高くなります。

決算も◯チャートも◯の優れた銘柄を、マーケット状況が良いここぞというタイミングで買う。
これが投資で成果を上げるための鉄則ではないでしょうか。

一方で決算やチャートの読み方について学べる本は多いですが、
マーケット状況の把握の仕方について学べる本は意外とありません。

その中で本日紹介する『市場サイクルを極める -勝率を高める王道の投資哲学-』はマーケットのサイクルについて論じた貴重な1冊です。

本日はそんな本書が投資を行うで役に立つのか、読むに値する本なのかレビューしていきます!

『市場サイクルを極める -勝率を高める王道の投資哲学-』を徹底レビュー

概要

ハワード・マークス氏によって2018年に刊行された本作。
ハワード氏は2012年に刊行された『投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識』でも有名です。

ハワード氏はペンシルバニア大学でファイナンスを専攻し、シカコ大学院でMBAを取得。
どちらも成績優良で卒業しています。

卒業後はシティグループでリサーチ担当や債券マネジャー、TCWグループで債券部門の最高投資責任者を歴任。
その後、アセットマネジメント会社のオークツリー・キャピタル・マネジメントを創業。
同社の会長やメトロポリタン美術館の理事などを務めています。

ごりごりの金融エリートであり、信用性はばっちりと言えます。
本書の帯には、バフェットやマンガーといった著名投資家からも絶賛のコメントが寄せられています。

本書は、そんなハワード氏が投資に莫大な影響を及ぼす”市場サイクル”について投資家向けに解説を行った1冊です。

おすすめ度

★★★☆☆(星3)

投資を行う上で読んでおいて損はない1冊。
市場サイクルについて勉強するなら本書がおすすめ。

しかし、優先的に読むべき1冊ではないと感じました。
投資を始めようと考えている方は、まずオニールやミネルヴィニの本を読んでからが良いと思います。(グロース投資を行う場合には)

内容が抽象的なので、今すぐ使える投資ノウハウではありません。
実際に株の売り買いをして、市場サイクルが投資に大きな影響を及ぼすと感じてからの方が内容が身につきやすいと感じました。

Good:
・市場サイクルについて解説された貴重な1冊
・過去の暴落した要因が分析されており、アメリカ市場の歴史について学べる

More:
・テクニック本ではないので、自分で内容を噛み砕く必要がある
・学べる知識の具体性は低く、投資パフォーマンスへの即効性はない

論旨が”市場全体のサイクル”という大規模な内容であるため、内容は抽象的です。
例えば、S&P全体のPERがこの数値になったら危険で下降傾向に入るから売り!といった直接的な内容ではありません。
もちろん、市場サイクルがそんな簡単に白黒つけられるものではないからですが…。

そのため、自分自身の投資のどの局面で本書の知識が使えるかは、自分で内容をどの程度噛み砕けるかによります。
なので投資への即効性が高い1冊ではありません。

また個人的に気になった部分としては、本書は”資産が割安になっているタイミングで買う”というバリュー投資の考えをベースとしており、グロース投資をメインで行っている身からすると違和感を感じる部分もありました。

内容

一貫して市場サイクルについて解説されています。
投資に大きな影響を及ぼす市場サイクル。すなわち市場全体の浮き沈み、ブル・ベアについて分析した1冊です。

なぜ市場には大きな浮き沈みが生じるのでしょうか?
本書では、それは投資家の心理の振れ幅によるものだと説きます。

以下は本書からの一部をまとめたものです。
ーーーーー
S&P500の長期で見た平均パフォーマンスは+10%前後と言われるが、その平均から前後2%(8~12%)という小さいブレ幅に収まっている年は47年間で3回しかない。
一方で前後20%(-10%~30%)にブレた回数は13回もあった。
企業業績によってここまで大きなブレが発生するとは思えないので、このブレは投資家の心理の振り子によるためだと考えられる。
つまるところ市場の極限への動きは投資家の心理によって起こる。
楽観主義者と悲観主義者の綱引きである。
ーーーーー

では、その心理が具体的にどのような局面で楽観に動き、一方で悲観に動くのか?
その動きについて多角的に分析し論じられていきます。

信用サイクル(お金の借りやすさ)や景気サイクル(景気の浮き沈み)の中で、投資家はどのような心理に陥ってどのように行動するのかがそれぞれ解説されています。
ここでは書ききれないので、詳細についてはぜひ本書をお読みいただければと思います。

本書では、その投資家の心理の変動を踏まえて、我々はどのように投資を行っていくべきかについても書かれています。(ここについてが抽象的なので少し残念でした)

ここで書いたようなトピックについて興味があれば、本書を読んでおいて損はないように思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本日は『市場サイクルを極める -勝率を高める王道の投資哲学-』をレビューしてきました。

市場サイクルについて扱っている書籍はほとんどないので貴重な解説本と言えます。
一方で内容が抽象的なので、投資パフォーマンスへの即効性は低いです。

いますぐに投資パフォーマンスを改善したい!投資ノウハウについて知りたい!という方はオニールやミネルヴィニの本の方がおすすめです。
まず彼らの本を読んでから、本書を読んでさらに投資への理解を深めるのが良いのではないのでしょうか。

ちなみにオニールやミネルヴィニの本についても解説しているので、よろしければご参考ください!

【米国株】『オニールの成長株発掘法』を徹底レビュー!

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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Profile

リョウ

読書と株とゲームを愛しています。ベンチャー企業→3ヶ月で心折れて退職→一部上場企業→歯車感を感じて転職→広告ベンチャー企業で商品企画を担当。
働きながら、起業しつつブログ運営をしています。